WE LOVE LEATHER
     
   

Vol.001
皮革の種類

なめし方法による分類

皮革は原料皮の種類によって区分するほかに、

  1. なめし方法による分類
  2. 革の加工タイプによる分類
  3. 仕上げ方法による分類

・・・などがあります。

今回の「WE LOVE LEATHER」は、
『1.なめし方法による分類』についてお話しします。


クロムなめし革
 なめし期間が短く経済性が優れているため、現在最も広く行われているなめし方法です。クロム塩(三価クロム)を鞣剤としているため、特有の青色の革になります。製品は軽くて柔軟で、保存性・耐熱性が良く、靴甲革、鞄・袋物用革、衣料用革、手袋用革、インテリア用革など、広範囲に使用されます。
 また、近年は新しい蝕感や性状を出すために、2種類またはそれ以上の鞣剤の併用によって、単独使用の欠点を補うことができるコンビネーションなめしが主流です。

タンニンなめし革
 植物タンニン剤を主としてなめした革で、クロム革に比べて、伸びと弾性が小さく、可塑性(かそせい:注1)に富み、堅牢であるので立体加工に適しています。底革、ぬめ革(鞄、ベルト)、多油革(馬具)、クラフト(革工芸)などの製造に利用されます。
 近年、環境や人にやさしいノンクロムなどのエコレザー(注2)が注目されています。

油なめし革
 代表的なものにセーム革があります。非常に柔軟で、吸水性が良く、適度の親油性を持ち、洗濯が可能です。姫路白なめし革(注3)もこの種類です。

その他
 明パンなめし革、アルミニウムなめし革、ホルマリンなめし革など、主に使用する鞣剤によって区分されますが、単独で使用されることは多くありません。

To be continued...

注1)可塑性:固体にある限界以上の力を加えると連続的に変形し、力を除いても変形したままで元に戻らない性質のこと。 >>本文に戻る
注2)エコレザー:天然のタンニンで染めた革のこと。 >>本文に戻る
注3)姫路白なめし革:化学薬品を使わず、塩と菜種油でなめして作られた皮革。甲冑、武具、馬具、剣道用の竹刀の柄に使われている。 >>本文に戻る

『皮革工業新聞』第884号より

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